研究課題/領域番号 |
15K02376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岩津 航 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60507359)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 神話 / ユダヤ系詩人 / フォンダーヌ / ヴォロンカ / 亡命文学 / ユダヤ人 / 神話と文学 / フランス文学 / ルーマニア / ユリシーズ / ユダヤ性 |
研究成果の概要 |
バンジャマン・フォンダーヌ(1898-1944)とイラリエ・ヴォロンカ(1903-1946)は、ともにルーマニア出身のユダヤ系詩人で、1930年代からは主にフランス語で著作活動を実践した。本研究は、彼らの作品に頻出するオデュッセウス神話やユダヤ神話のイメージが、亡命の主題と相まって、彼らの想像力をどのように構造化したかを明らかにするものである。フランス、アルゼンチン、ルーマニアでの文献調査と、多国籍の研究者との協議を経て、研究成果として学術論文3本(うち1本は単行本収録)を刊行し、研究発表を8回行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バンジャマン・フォンダーヌとイラリエ・ヴォロンカという、フランス語圏で再評価が進む二人の詩人について、日本における先駆的研究を提示するとともに、亡命や移民の個人的経験がもつ抒情性に神話が叙事的な枠組みを与えて構造化する過程を解明した。亡命文学という20世紀以降の重要なジャンルの作品読解の方法として、神話分析が有効であることを内外に示し、かつルーマニア、フランス、ユダヤ、アルゼンチンといった複数の国や言語にまたがる彼らの文学の全体像を多様な文脈から解読したことは、国家=国民=国語という三要素の結合が解体されつつある21世紀文学の状況を理解するうえでも、重要な示唆を含むものである。
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