研究課題/領域番号 |
15K02393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郷原 佳以 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90529687)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ジャック・デリダ / 自伝 / 脱構築 / 灰 / ロラン・バルト / エミール・バンヴェニスト / 発話理論 / 読後火中 / 供犠のエコノミー / フィクション / 記憶と記録 / 《ミッション:インポッシブル》 / 割礼告白 |
研究成果の概要 |
デリダにおける「自伝の脱構築」のありようを明らかにするという目的に沿って、主として以下の研究を行った。 (1)デリダがテクストに虚構的かつ単独的な動物たちを登場させ、虚構的かつ自伝的なテクストを書いたのは、他者性における単独性と普遍性のアポリアを限界まで思考するためであったことを明らかにした。 (2)デリダにおける自伝的・詩的テクストの展開と晩年まで続いた「灰」モチーフとの関連を精査し、両者に大いなる関係があることを突き止めた。『火ここになき灰』、「送る言葉」、「プラトンのパルマケイアー」を精査することで、「灰」モチーフの登場がデリダにおける自伝的・詩的テクストの端緒を徴づけていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哲学者ジャック・デリダの著作を自伝的要素や記憶、「灰」といったモチーフに注目して1960年代から晩年まで検討することにより、デリダが著作に虚構的および自伝的要素をちりばめたのは、一方で、哲学的言語の形而上学的性格を批判し、新たな哲学的言語を探求しつつ、他方で、「私」の反映としての「自伝」の捉え方を批判し、「自伝の脱構築」を行うためであることを示した。また、デリダの著述の「語り」の性格を追究することによって、哲学的なデリダ研究における欠落を補うことができた。
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