研究課題/領域番号 |
15K02425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 関西学院大学 (2016-2018) 名古屋学院大学 (2015) |
研究代表者 |
大宮 有博 関西学院大学, 法学部, 教授 (20440654)
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研究協力者 |
浅野 淳博
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | キリスト教学 / 新約聖書学 / ルカによる福音書 / 使徒言行録 / ルカ文書 / 社会科学的聖書批評 / 徴税人 / ローマの属州支配 / ヨセフス / 歓待 / 罪人 / 新約聖書 / 初期ユダヤ教 / 旧約聖書 / 清め / 汚れ / 罪 |
研究成果の概要 |
本研究ではローマ支配下のユダヤの人々がどのように徴税人を見ていたかを主にヨセフスを手がかりにして検討した。その結果、ユダヤの人々は確かにローマの税を支配の象徴として見ていたが、徴税人を卑賎視することはなかった。むしろ徴税人を卑賎視する見方は、1世紀のローマの文献によく見られた。しばしば新約聖書学者が引き合いにする徴税人を卑賤視する『ミシュナ』の記事は、このようなローマ世界の見方を踏まえて書いたと考えるべきである。 ルカはその福音書の中で、旅人や異者に対する「歓待」の慣習を、差別を乗り越える手だてとしている。また回心(認識の転換)が差別さている者にも差別している者にも救われるために必要と述べる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、1世紀の地中海世界の文学であるルカによる福音書が物語の中でどのように当時の社会の差別の構造とイエスによる共生の試みを描いたかを検討することによって、現代社会の差別を認識し共生社会を築く学問的基盤を提供することを目指した。この検討の結果、社会人類学の概念を福音書解釈に導入することによって時代や地域を超えた差別構造を浮き彫りにすることが出来た。
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