研究課題/領域番号 |
15K02453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤石 貴代 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20262420)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 金鍾漢 / 国民文学 / 国民詩 / 愛国詩 / 新地方主義 / 則武三雄 / 浅井十三郎 / 史詩 / 詩と詩人 / 国民詩人 / 地方主義 |
研究成果の概要 |
1940年代前半期の朝鮮半島で唯一、発行を許可された月刊文芸誌『国民文学』(1941.11~1945.5通巻39号)誌の編集者であった金鍾漢、および同誌主幹の崔載瑞(1908-64)が主張した「国民文学(論)」について、日本帝国主義に対する抵抗か屈従(親日)かの政治的二項対立からの評価ではなく、朝鮮文人たちの朝鮮(語)文学存続のための試論として捉え直した。調査の過程で、崔載端の恩師であり、英文学者で詩人の佐藤清(1885-1960)と、新潟の詩人、浅井十三郎(1908-56:本名、浅井与三郎。のち、関矢与三郎)との交流が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本内地の「地方」においても、戦時体制下の文学革新運動として「国民文学(論)」が推進された例を、戦前から戦後にかけて新潟で発刊された詩誌『詩と詩人』(1939-57)の調査により確認した。同誌編集者の浅井十三郎と金鍾漢に共通して見られる「(新)地方主義」「史詩」を検討することで、朝鮮半島における「国民文学(論)」に限定されない視野と視点の拡大を得た。日本現代詩史の観点からも、『詩と詩人』は、戦後いち早く浅井が創刊した『現代詩』(1946.2-1950.6)とともに、「戦後詩の原点」と称される『荒地』や『列島』に先駆けて戦後詩の母体となったことを指摘した。
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