研究課題/領域番号 |
15K02844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊一 名城大学, 人間学部, 教授 (50247681)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 災害史 / 環境史 / 荘園史 / 農業史 / 日本中世史 / 開発史 / 気候変動 / レジリエンス / 室町時代 / 経済史 / 水害史 / 異常気象 / 荘園制 / 村落史 / 請負代官 |
研究成果の概要 |
15世紀から16世紀の水旱害とその復旧・再開発について14世紀からの流れも合わせて検討した。14世紀半ばの洪水からの復旧は荘園領主が派遣する代官や在地の荘官層によって担われた。14世紀末には荘官層の一部が没落し、代官支配も困難に陥る一方、名主層の開発意欲は強かった。しかし15世紀第Ⅱ四半期には気温と降水量が共に増加する異常気象が生じ、諸荘園は深刻な洪水と旱魃に襲われて大きなダメージを受けた。そこからの復旧は従来の荘園支配の仕組みではうまく行かず、国人や土豪などの在地勢力による取り組みの持続性が高かったため、結果として荘園制社会の解体を招いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動がどのように社会システムに影響を与えて変化させていったかを日本中世後期社会について検証した。14世紀半ばの水旱害には従来の荘園制の仕組みで対応できたが、復旧の担い手である荘官や代官の窮乏化や弱体化を招いた。15世紀第Ⅱ四半期に襲った異常気象には弱体化した復旧のシステムは働かずに社会は混乱し、復興の担い手の交代と旧来のシステムの解体を招いたという道筋を実証した。この道筋は他の時代や現代社会にも適用することができるだろう。 また気候が良好であれば生産力が高まり、不良なら低迷という素朴な気候決定論をから離れ、社会システムにストレスを与えて変容させる気候変動という新たな視点を切り開いた。
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