研究課題/領域番号 |
15K02850
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
森 明彦 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 名誉教授 (90231638)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 貨幣 / 都城 / 正税 / 交換手段たる支払手段 / 関市令 / 悪銭 / 悪貨 / 估価 / 古代貨幣 / 沽価と估価 / 月借銭 / 新銭 / 市 / 苧 / 銅銭 / 平安貨幣 / 交易と負担体系 / 鋳銭司 / 貨幣の不在 / 調庸制 / 負担体系 / 貨幣制度 / 鉛銭 / 鋳造実験 / 贈与 / 雑徭 / 悪銭・悪貨 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は日本古代貨幣制度の推移、変容、そして崩壊に至る過程を解明することにあった。ここでは、日本古代貨幣が単なる国家的支払手段ではなく、交換手段たる支払手段であるとの立場を採り、国家と社会との間で生じる様々な問題の本質の解明に迫った。それにより、古代貨幣制度の変遷と変容の段階を明らかにした。いくつかの例をあげれば、(1)国家は銭貨の全国流通を望まなかったこと、(2)官私間の交易は通説のように統制価格ではなく、時価によっておこなわれていること、(3)貨幣の呪術的用法とは、神との間の疑似経済的用法に他ならないこと。これらの外、多くの新見解を提示し、日本古代貨幣史の叙述の一新を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、日本古代貨幣が単なる国家的支払手段でも無く、又単なる交換手段でも無く、交換手段たる支払手段であったことを明らかにし、古代貨幣論の構築に貢献した。また古代貨幣の交換手段としての性格が喪われることが,日本古代貨幣制度が崩壊そのものを意味することを明らかにしようとしたものである。平安時代の崩壊過程については、まだ多くの分析が必要である段階ではあるが、本研究で明らかにした関市令官与私交関条、同除官市買条に関する新解釈の提示は、估価制度の理解に根本的な修成を迫るものであり中世貨幣史にも大きな影響を与えることになろう。
|