研究課題/領域番号 |
15K02904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
平田 茂樹 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (90228784)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ネットワーク / コミュニケーション / 手紙 / 中央 / 周辺 / 縁辺 / 空間 / 周縁社会 / 私的領域 / 贈答品応酬 / 贈り物 / 辺境 / 血縁 / 地縁 / 学問的ネットワーク / 文化的ネットワーク / 政治的ネットワーク / 鶴山書院 |
研究成果の概要 |
宋代士大夫のネットワークとコミュニケーションについて以下のことが明らかとなった。 (1)中央の士大夫は、手紙を一種のSNSのように用い、私的集団内においては上奏文、文学作品などを手紙に付して議論を行うとともに、会合を開き、手紙を見ながら討論を行った。(2)周辺・縁辺社会の士大夫は、交通が不便なため、手紙は彼らの政治、社会、経済、文化活動を支える重要な手段として機能した。特に、遠距離間の交流の手紙の場合、より詳しい情報が記され、討論の手段として使われることが多かった。(3)手紙の分析を通じて、路あるいは全国にまで及ぶ文化的ネットワークが存在し、そのネットワークを通じて各種の活動が営まれていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宋代士大夫の日常生活の交流を端的に示す手紙資料を分析することを通じて、郷村、県、州、路、全国と多層的空間において、血縁、地縁、学縁、業縁などのネットワークが複合的に結びつき、複雑なネットワークが構築されている様子が明らかになるとともに、特に南宋期においては、中央・地方それぞれに構築される政治的ネットワーク、州を中心として形成される家族・宗族共同体や婚姻圏とは別に、路あるいは全国にまで及ぶ文化的ネットワークが存在し、これらが相まって士大夫の活動を支えていたことが明らかになった。以上のように、今後の宋代士大夫のネットワークやコミュニケーションを考えるうえで、新たなモデルを提出した。
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