研究課題/領域番号 |
15K02907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 淑徳大学 (2018) 学習院大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
村松 弘一 淑徳大学, 人文学部, 教授 (70365071)
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研究分担者 |
桐本 東太 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (60205044)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 中国古代 / 地理認識 / 交通路 / 堤防 / 環境史 |
研究成果の概要 |
中国古代の地理情報の文書化の過程について、秦漢代の堤防建設や災害による移住など地域開発の視点から、出土文字資料も含め検討をおこなった。①黄河流域では漢代から堤防を建設し管理した。②漢代に黄河流域で発生した水害の被災農民は黄土高原北部からシルクロードへと移住し、オアシス灌漑という新たな生産方法による開発に従事した。③長江流域では北方の城壁に由来する「塢」と呼ばれる小規模な堤防・溜め池が建設された。地理情報の文書化は、その具体的な語(例えば、堤や塢、新秦中)がどのような開発の経緯で建設・設置されたものなのかという歴史的背景をともなうことによって、地域性や時代性を理解することができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで『山海経』や『水経注』といった地理書として、地理情報を文書化する過程に関する研究はあまりおこなわれてこなかった。本研究では、当初、出土文字資料から文書化過程を探ることを目的としたが、研究をすすめるなかで、堤防や「塢」(堤防・池)、オアシス灌漑といった技術や「新秦中」(黄土高原北部)や河西回廊などの地域開発の変化が及ぼす、地理情報の変化も分析した。今後は東アジアという広がりのなかで、水害など災害の被災民や異民族でなかば強制的に移住させられ、「生業転換」をした人々に対して、どのような技術・開発方法の地理情報を伝授したのかという問題(地理情報の集積から提供)についても考える必要があるだろう。
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