研究課題/領域番号 |
15K02955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
坂下 史 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90326132)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 西洋史 / イギリス / 啓蒙 / 農業 / 都市 / 知識伝達 / 公共圏 |
研究成果の概要 |
本研究は、近代イギリスの民間団体の一種である農業協会の活動に光を当て、その社会的な役割や存続の意味を解明することに取り組んだ。農業協会の多くは18 世紀半ば以降に地方都市に設立され、狭い意味での農業振興に限らず、様々な場面で有用とされる知識や情報がそこに集まった。本研究は、事例として取り上げた地方都市バースの農業協会が発行した刊行物の検討を中心に、地域社会に根ざした知識人や社会改良の実践者たちが参加する幅広く、時には雑多な要素が併存する公的活動の領域を浮かび上がらせた。そして、それへの参加が、専門分科以前の時代において、地域社会にある種の活力を与えていたことを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで別々に進められてきた農業・農村研究、都市研究、そして国家と社会の改革研究を、時代の文脈のなかで相互に関係させて捉え直した。広義の社会改良の試みが、近代イギリスでは、地域に根差した知識人による情報発信を核に推し進められたことが明らかになり、また地域社会がそうした状況に柔軟に対応する意志とダイナミズムを備えていた点が確認された。これにより、公共精神とその担い手の問題、公的活動と民間ヴォランタリズムの関係、さらには情報メディアが果たした役割といった今日的なテーマへと連なる論点が、歴史過程のなかに浮かび上がった。それらは現代社会の問題について考える際にも参照系となろう。
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