研究課題/領域番号 |
15K02972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中村 大介 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40403480)
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研究分担者 |
田村 朋美 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (10570129)
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研究協力者 |
藁科 哲男
金 奎虎
孫 晙鎬
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 楽浪郡 / 漢 / 交易 / 鉄器 / ガラス / 装身具 / 匈奴 / 漢帝国 / 楽浪 / 流通網 |
研究成果の概要 |
楽浪郡成立前後における東北アジアの流通網の変化と器物製作の技術移転に関して、考古学的、理学的分析から検討を行った。その結果、次のような事実を明らかにした。まず、楽浪郡が交易の結節点になり、東北アジアにインド・東南アジアのガラスを朝鮮半島南部や日本列島にもたらした。次に、漢は楽浪郡を通じて日本列島の倭と外交的な交流を行い、漢鏡や特定の鉄製武器を与え、朝鮮半島の弁・辰韓との競合を促した。そして、金属器の原料を全て輸入していた倭とは異なり、1世紀後半に弁・辰韓は鉄器生産技術を向上させ、外交関係と交易網を刷新した。こうした内容から本研究は、楽浪郡の形成が東北アジア各地の政体の成長を促したと結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国周辺部である東北アジアの社会複雑化は、各地の地域社会の内的成長だけでなく、漢のような中国の王朝の動向に大きく左右される。そして、日本列島では、楽浪郡が成立する前漢後期頃に外交的な交流が生じ、各地の政体の序列化が進行していった。本研究では、交易とガラスや鉄器などの新しい器物の製作技術移転を検討することで、具体的にその要因を明らかにしたことに学術的意義がある。また、楽浪郡、朝鮮半島南部の弁・辰韓、日本列島の倭の競合関係は、漢が外交を通じて上手くコントロールしていたが、弁・辰韓の鉄器生産の革新によって新展開が生じたことも示した。この成果も東北アジアの歴史動態を端的に示す事例として重要といえる。
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