研究課題/領域番号 |
15K03001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
深澤 芳樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 客員研究員 (40156740)
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研究分担者 |
神野 恵 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (60332194)
桑田 訓也 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50568764)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 光 / 東アジア考古学 / 土器研究 / 文献史料 / 民俗資料 / 実験考古学 / 考古資料 / 灯火器 / 灯油 / 灯明 |
研究成果の概要 |
灯火器は人類の歴史にとって偉大な発明品であった。東アジアの中では、灯火器は中国で西周以前に出現している。朝鮮半島では、楽浪郡の設置頃に散発的にあらわれ、三国時代になって普及する。日本列島で考古資料の灯火器が確認されるのは、ようやく飛鳥時代になってからである。仏教と律令制度の普及とともに古代都城を中心に灯火器は普及していくが、日本全国に拡大していくのは奈良時代の聖武朝のころであった。日本列島における初現期の灯火器は、組み合わせ式のもので、これは中国では前漢にさかのぼる。古代東アジアの灯火器は、当時の最新鋭の文明の利器として、相互に影響を与えながら発展してきたことが、本研究から明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島における灯火器の出現は、仏教と官僚制の開始の時期に符合した。それ以前は、灯火器の直接証拠はまだ見つかっていないが、今後発見される可能性を残しておきたい。しかし大勢として、飛鳥時代に灯火器が都城を中心に普及し、奈良時代に全国展開する事実は覆らないだろう。その灯火器は、大陸の直接的な影響があって出現した。中国孫機氏、韓国李相日氏の研究に、その経路を重ねることによって神野恵が指摘するとおりである。王権の威信と文字の活用普及に灯火器が果たした役割は決して小さく。そして幕末における日本人が世界有数の識字率になった淵源は、1300年前のこの時代に遡るとしても大きな間違いではないだろう。
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