研究課題/領域番号 |
15K03034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50293585)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 人類学 / 生態環境(身の回り世界) / 知覚 / 五感の共鳴 / チャムス / ドドス / 進化的基盤 / 文化・社会的構築 / 五感 / 東アフリカ牧畜民 / 文化・社会席構築 / 進化的基礎 |
研究成果の概要 |
本研究は、東アフリカ牧畜民が五感の統合作用を通じて感得した「身の周り世界」をいかなる回路によって他者と共有しているのかについて、人類学的な視点・方法から解明するものである。五感の諸機能とその統合性は人類の進化的基礎であると同時に文化・社会的構築でもある。それは同じ五感を備えた身体的他者と社会的交渉を行うための基盤となる。一方、五感を構成する個々の知覚間には、他者と知覚内容を共有する際の共同性のあり方に差異が認められる。本研究では、「五感の共鳴」という身体的・社会的現象に着目して、牧畜民が他者と共有する環境の包括的全体像を、諸知覚の共同性の成立機序とその差異性の二側面から描出することを目指した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類学において「人間とその周囲にある生態環境との関わりあい」には膨大な研究蓄積があり、生きる場における知覚や感覚という主題は文化人類学の領域でも注目されつつある。本研究は東アフリカ牧畜民に焦点をあてて、人類学における「生態知覚共同論」ともいうべき新たな領域を切り拓き、理論的に萌芽的なものに留まっていた研究を「知覚の民族誌」から「知覚の人類学」へと深化させた。人間が自らの身をおく環境を五感のすべてで受けとめるという人間存在の身体的なあり方と五感の共鳴という回路による環境知覚の社会的共同性を架橋することは、世界各地で進行する環境問題への認識論的視座からの接近という実践的方向性をも示すこととなった。
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