研究課題/領域番号 |
15K03052
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
福武 慎太郎 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (80439330)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 東ティモール / インドネシア / コーヒー / 人類学 / 贈与 / 貨幣 / 経済 / マンデリン / トラジャ / プランテーション / 貨幣経済 / 山地民 / 儀礼 / 水牛 / 東南アジア / 贈与論 / 贈与交換経済 / 高地栽培 |
研究成果の概要 |
コーヒーチェリー栽培をおこなう東南アジア島嶼部の高地民の暮らしについて、1)コーヒーチェリー栽培導入の歴史的経緯と貨幣経済の浸透、2)贈与交換経済と貨幣経済の関係について、現地調査と文献調査に基づき考察した。東南アジアの高地社会では、植民地統治が本格化する20世紀初頭まで貨幣使用は限定的であり、少なくとも1980年代まで贈与経済が優勢であった。独立後の東ティモールでは、コーヒー・チェリー栽培の収益への経済的依存が高まっている一方、贈与経済は根強く、市場経済と贈与経済の並存が高地民の生活を圧迫していることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コーヒー・チェリーなどの換金作物栽培の拡大が、貧困を解決に導くよりもむしろ悪化させることになった歴史的文化的背景を解明しようとしている。政府や援助機関は、貧困の要因として従来の伝統経済を指摘し、山地社会の貨幣経済化を進めているが、そうした試み自体が状況を悪化させていることを指摘した。本研究の意義は、市場経済の問題点を、伝統経済への信頼が根強い東南アジア高地社会の社会変容から考察し、新たな政治経済モデルの構築に貢献することにある。
|