研究課題/領域番号 |
15K03058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 文化人類学 / ニュージーランド / 現代アート / アイデンティティ / ヘリテージ / ポストコロニアル / 移民 / ポリネシア / 太平洋諸島 |
研究成果の概要 |
ニュージーランド・オークランド市では、戦後に始まった太平洋系の移民の間でアート活動が活発に行われている。欧米でもてはやされた太平洋芸術のアート・スタイルやデザインを流用して自分なりにアレンジして始まった彼らのアート活動は、オリジナリティが重視される欧米のアートの枠組みの中で評価されてきた。オークランド市の多文化状況や、混合結婚によるコンタクト・ゾーンが、彼らのヘリテージを意識させ、アイデンティティの追究がアート活動に結びついていたが、若い人々の間では、本国の人々とのつながりを意識しつつも、むしろ移民としてのアイデンティティを追究したり、社会問題に切り込んでいくアート活動が盛んになりつつある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いわゆる太平洋芸術とは欧米の側で作り出した分類であることを明らかにし、今日支配的になっている欧米のアートの概念の特性を明らかにした。ニュージーランド・オークランドで展開されている太平洋現代芸術の作品は、スタイルやデザインで旧太平洋芸術からの借用はあるものの、欧米のアートの概念に沿った展開となっていることを示した。芸術や文化の創造において、コンタクト・ゾーンが有効に働くことを示した。そうした環境の中で、マイノリティにとって芸術のヘリテージは資源であり、アイデンティティは意識下に置かれるものとなる。 マイノリティの存在は、マジョリティにとっても社会を豊かにする上で、有意義であることを示した。
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