研究課題/領域番号 |
15K03093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大平 祐一 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (00102161)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 吟味筋 / 出入筋 / 他領他支配関連刑事事件 / 手当呼出 / 心附呼出 / 奉行所吟味願 / 私人による出訴 / 手続の選択 / 手続きの選択 / 出入り筋 / 目安糺 / 心付呼出 / 裁判手続 / 犯罪の嫌疑 / 刑事事件の処理 / 刑事手続 |
研究成果の概要 |
本研究では、江戸時代の刑事裁判手続について、(1)犯罪が発生した現地では、被害者側が加害者を相手どって幕府中央の奉行所に訴え出ること(出入筋)が推奨されたこと、(2)幕府中央の奉行所は、その訴えが「犯罪の嫌疑濃厚」と判断すれば、加害者の身柄拘束・送致、召喚を命ずるという「吟味筋」の手続をとり、「犯罪の嫌疑濃厚」と思われない場合は、目安裏判により加害者を出廷させ、被害者側と法廷で対決させるという出入筋の手続をとったこと、そして(1)(2)に共通する理由として、奉行所の有罪立証の負担軽減を指摘した。そのことが有罪立証できないことによる奉行・奉行所の権威失墜を回避する意味を持ったことも指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来、未解明であった「手続の選択」問題につき、(1)犯罪の発生地で「私人による出訴」(出入筋)が推奨されたことや、その背景理由について新たな見解を示すことができた。(2)幕府中央の奉行所での「手続の選択」についても「犯罪の嫌疑の濃淡」という視点からその理由を明かにすることができた。「犯罪の嫌疑濃厚」とな事件を吟味筋(刑事裁判手続)に委ねるという方針がとられていたことを明かにし、幕府の刑事司法・刑事政策の一端を解明することができた。犯罪の嫌疑が濃厚で有罪の可能性が確実な者のみを起訴するという、現在の刑事司法の歴史的背景を考える一素材を提供することができた。
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