研究課題/領域番号 |
15K03196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
今村 与一 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30160063)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 物的担保法 / フランス法の現状 / 日本法の現状 / 比較法分析 / 伝統的担保の衰退 / 無体財産の担保化 / 公示・特定原則 / 信用膨張の危険 / 典型担保の衰退 / 抵当権の無力化 / 企業倒産手続 / 企業救済 / 福祉国家の住宅政策 / 所有権留保・譲渡型担保 / 神聖不可侵の所有権 / 2017年の担保法改革草案 / 物的担保 / 抵当信用 / 非典型担保 / 無体財産質 / 人的担保 / 債権法改正 / 動産質 / 不動産質 / 抵当権 / 債務整理手続 / 占有担保 / 非占有担保 / 分類基準 / 保証契約の要式化 / 物的担保との併用 / 不動産概念 / 有体物主義 / 無体財産の優勢 |
研究成果の概要 |
今世紀に入り、日仏両国の民法は、期せずして大がかりな物的担保法の立法改革を経験した。特にフランス法の場合は、編別構成にまで踏み込み、目的財産別に物的担保を分類し直し、英米法流の所有権留保・譲渡型の物的担保を明文化するなど、神聖不可侵の所有権思想のもとで冷遇され、企業救済を優先するあまり、無力化していた伝統的な金融担保取引の刷新を図る大胆なものであった。 そこで、両国における物的担保法の現状を相互に分析し、その表面上の共通点とともに、根本的な相違点を明らかにした。これらの作業により、今なお変動してやまない物的担保法の将来を見すえる確かな視座を獲得することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本法ばかりかフランス法でも人的担保の占める比重が増大しており、今後の改革の焦点になると考えられる。物的担保法に限定すれば、不動産担保への過度な依存を特徴とする日本法の見直しは必至だが、フランス法の場合は無力化していた不動産担保の再生が課題のひとつとして浮かび上がっている。物的担保法制の全体を見渡せば、目的財産が有体物から無体財産へと次第に重点を移行させていることも顕著な事実である。けれども、無体財産の担保化は、フランス法が堅持してきた公示・特定原則の緩和を加速させ、常に信用膨張の危険を伴っている。この基本認識は、地球規模で拡大し続ける信用取引の健全さを確保するうえで決定的に重要な意味をもつ。
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