研究課題/領域番号 |
15K03260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
飯山 雅史 北海道教育大学, 函館校, 教授 (80732023)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アメリカ / 宗教右派 / 福音派 / 宗教と政治 / 共和党 / 民主党 / アメリカ政治 / 主教と政治 / 政党帰属意識 / 若年層 / トランプ政権 / 政党再編成 / 大統領選挙 / 投票行動 |
研究成果の概要 |
米国政治のイデオロギー亀裂深刻化の背景は、宗教保守的な白人福音派が共和党の岩盤支持層へと変貌したことで、宗教争点の亀裂拡大が生まれたことが主要要因の一つである。この研究では福音派が今後も共和党支持を続けるかどうかを推測する手段として、福音派の政治傾向を計量分析した。 回帰分析の結果では、様々な社会経済的属性を制御しても、福音派教会のメンバーであることが共和党支持の有意な要因であり、その傾向は2012年の大統領選挙でも強化されたことが明らかになった。また、2016年における福音派若年層の政治傾向は高齢世代と大きな格差はなく、福音派は今後も共和党の岩盤支持層である可能性が高いことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1990年代のような米国の宗教右派運動は衰退したが、福音派が今後も共和党の岩盤支持層であり続ける見通しが強い。このため、宗教的争点は今後も米国政治の機能不全をもたらす要因となっていくであろう。トランプ政権において、白人中間層の共和党支持が注目されているが、彼らと宗教保守層は大きく重なっており、宗教的側面での対立構造に変化は見られていない。 このため、共和党は高所得高学歴の富裕層の政党から、低学歴中低所得層の宗教保守的な支持層の政党へと変質を続ける可能性が高い。それは自由貿易や国際主義を掲げてきた同党主流派の衰退を意味し、日本外交にとってもきわめて憂慮すべき展開となるであろう。
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