研究課題/領域番号 |
15K03343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
クロス 京子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (40734645)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 移行期正義 / アチェ / ミンダナオ / 社会的正義 / 経済的正義 / 分離独立闘争 / 歴史的不正義 / 賠償的正義 / 社会正義 / 真実和解委員会 / ミンダナオ紛争 / イスラム法 / 安全保障と女性 / 土地問題 |
研究成果の概要 |
研究開始当初は、軍・警察関係者の刑事裁判は困難であるものの、高度な自治権を獲得した反政府勢力は懲罰的ではない、より修復的なアプローチ、つまり紛争被害者や被害コミュニティに配慮した配分的正義を実施すると想定していた。しかし、移行期正義の主導権は常に中央政府にあり、その内容はその時々の政治的意思に影響されることが研究を進めるうえで明らかになった。 アチェでは紛争寡婦に対する補償プログラムが一部実施されただけなのに対し、GAMの指導者層は政治エリートとして利権を享受し腐敗が進んでいる。ミンダナオでは採用すべき移行期正義のメカニズムが勧告されたが、政府の意思がなく実施の見通しは立っていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が研究対象とする、社会的・経済的正義としての移行期正義は、近年注目が集まる萌芽的な研究領域である。しかしその研究の多くは、「リベラル平和構築」に対する批判に見られるように、市民的・政治的権利侵害の回復が過度に優先されることを批判するものである。本研究は和平合意から制度設計過程を詳細に追跡し、移行期正義の枠内で社会的・経済的正義がどのように志向されるのかを実証的に分析する点に最大の特色がある。また、反政府勢力が主導権を握る自治政府における移行期正義の制度設計過程を検討するという着眼点は稀であり、非常に独創的である。さらに、現場での実践を理論化することで、実務家に対し政策的視座を提供する。
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