研究課題/領域番号 |
15K03358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 獨協大学 (2017-2018) 高崎経済大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
山森 哲雄 獨協大学, 経済学部, 准教授 (50552006)
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研究協力者 |
岩田 和之
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コミュニケーション / チープトーク / 労使交渉 / 不完備契約 / モラルハザード / 社会的選好 / 自己奉仕バイアス / 経済実験 / 労使紛争 / 不平等回避理論 / モラル・ハザード |
研究成果の概要 |
労使交渉において労働者が希望賃金を表明することで労働者自身の規範的動機にどのような影響を及ぼすのかについて、Gift Exchange Gameを基にした経済実験によって検証した。労働者が希望賃金を伝達することで 労働者自身の互恵性が毀損され、モラルハザードの問題を(交渉がない場合と比べて)悪化させることが明らかになった。また、労使の継続的な関係(同じペアで繰り返しプレイ)を前提とした場合、上記の結果は頑健であるものの、希望賃金だけでなく労働者の「意図」を伝達することで、労使の協調が促進されてモラルハザードが緩和されることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
交渉を含む事前コミュニケーションの負の側面はこれまでにも指摘されてきたが、コミュニケーションが発話者自身の互恵的選好を毀損することで経済効率性を悪化させる可能性を示したのは本研究がはじめてである。とくに、本実験研究のベースとなったモラルハザード問題は、労使関係だけでなく、医師と患者、政治家と官僚、学生と教員の利害対立など、プリンシパル・エージェント関係全般に発生するものであり、本研究の応用範囲は広い。その成果は、プリンシパルとエージェントの利害対立を緩和するコミュニケーションのあり方や制度設計を検討する際の一助となるものである。
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