研究課題/領域番号 |
15K03577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 克美 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (50304069)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ソビエト / 消費社会 / 企業社会 / ジーンズ / 消費 |
研究成果の概要 |
本研究では、「不足の経済」として知られる社会主義ソ連における「消費社会」の実態を検討した。単に国民の所得水準の上昇によって需要の量的拡大と質的多様化が顕著に進んだ社会を「大衆消費社会」と呼ぶとすれば、それはソ連にも当てはまる。ただし、現実には次のようなソ連独自の特徴がみられた。第一に、品揃えや品質の改善に向けて多くの努力が払われたとはいえ、不足と滞貨の共存する市場であった。第二に、不足物資を含め多くの消費財が企業を通じて提供されており、消費における職場の役割は大きかった。その意味では、ソビエト消費社会は、生活の中心に企業が存在する独特の「企業社会」の中で機能していたのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ソビエト連邦は「不足の経済」として知られており、国民の消費生活は貧しく味気ないものであったと見做されがちであるが、実際には国民の所得水準の上昇に伴って需要の量的拡大と質的多様化が観察され、その意味では「大衆消費社会」が出現していたと考えられる。とはいえ、西側とは異質な特徴を有していたことも事実であり、チェルニショヴァが『ブレジネフ時代のソビエト消費文化』のなかで指摘したように単純に「西側のような大衆消費社会が出現した」と見るべきではない。 本研究の他の貢献としては、歴史学や社会学中心であった従来のソビエト・ファッション研究に、生産と流通という経済学的な側面からアプローチしたことが挙げられる。
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