本研究の成果としては、日本のファミリービジネスの経営行動の特徴について理解するための基礎的な知見を提示したことである。 第一に、所有と経営の観点からファミリービジネスを六つの類型に分けて定義したことである。第二に、ファミリービジネスが一般企業よりも業績優位となる経営指標と業績優位とならない経営指標が存在する点を解明したことである。第三に、ファミリービジネスの経営行動の特徴を浮き彫りにしたことである。例えば、ROA(特に総資産回転率)や自己資本比率が高い点から、分厚い資本を背景にして、多くの資産を持ちすぎない(適性規模)経営を実践しているような特徴である。
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