研究課題
基盤研究(C)
本研究は、東日本大震災以降の福島における放射能汚染をめぐる不安といった困難な状況やリスクに向き合うなかで、「非集住的環境」において生活する在日コリアンが、いかに日常生活や身近な人間関係を通じて多文化的実践を遂行しているのかを明らかにした。具体的には、郡山市、福島市、いわき市、会津若松市などで生活する福島の朝鮮学校出身者およびその家族によって形成されている朝鮮学校コミュニティへの参与観察および聞き取り調査を継続して実施した。研究期間全体を通じては、在日コリアンと日本人によって構成される家族における震災や放射能汚染という困難に対応する中で多文化的実践を営んでいることが明らかになった。
本研究は、これまであまり焦点が当てられることのなかった、在日コリアンと日本人の通婚によって形成された多文化家族による日常的実践の領域を明らかにした。とりわけ、震災と放射能汚染という困難に対して、様々な困難や葛藤を抱えながらも、福島の朝鮮学校を中心としたエスニック・コミュニティにおいては、一枚岩の民族的アイデンティティに囚われることのない多様なアイデンティティのあり方がみとめられるとともに、相互扶助的な実践が営まれていることが明らかとなった。
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現代の社会病理
巻: 第33号 ページ: 65-82
atプラス
巻: 28 ページ: 92-111
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巻: 28
http://kojingyoseki.adb.fukushima-u.ac.jp/top/details/277