研究課題/領域番号 |
15K03838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
水津 嘉克 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40313283)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 物語論 / 死別論 / 支援論 / 排除論 / 自死遺族 / 死別 / 生きづらさ |
研究成果の概要 |
本研究では、自死遺族の手記やインタビューデータを用いて、死別をめぐる困難性に関する研究を進めてきた。自死遺族の場合、その経験を通常の自己物語として表明していくことに様々な困難が伴う。その困難性ゆえに、自死による死別という経験を取り込んだ「自己物語」を再度語ろうと試みる際に、「語りの難波」「経験の中断」という問題に直面することになるのである。 この「経験の中断」自体を乗り越えるには、二つの課題「中断によってバラバラになってしまった秩序を回復すること」「この中断がその後も継続していくという事実を語らねばならない」をクリアする必要がある。しかし、そこに大きなリスクが生じることも意味するのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、社会学分野においてこれまで理論中心に論じられてきた物語論を、現実に自己物語に困難を抱えている人たちにアプローチするための分析枠組みとして用い、物語論的パラダイムを用いたからこそ明らかになる論点を追求してきたところにその学問的な意義がある。 また死別という経験を物語論的な視点からみることは、すでに海外では様々に議論されているところであるにもかかわらず、日本においては依然としてほとんど見られない。フロイトなどを参照する古典的な議論がいま現在も多い日本において、実際の語りを用いた物語論的分析を提示することには、支援という観点から実践的・社会的意義も大きいと考える。
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