研究課題
基盤研究(C)
本研究では、水俣病多発漁村である水俣市茂道において医学的健康調査と社会学的調査を行い次の3点を明らかにした。①過去測定された毛髪・臍帯水銀値、ならびに原田正純が行った健康調査資料から水俣市茂道を抽出し、漁業と暴露の関連、健康障害と各種補償救済状況の関係性を明らかにした。②地図上に各種補償救済状況をマッピングし、他漁村の地図と比較し、各漁協の水俣病への対応が被害表出に影響を及ぼしたことを視覚化した。③①を基礎資料とし茂道に在住する存命の方の医学的調査を行い、暴露と水俣病の有病率、健康障害と補償救済制度の乖離を確認した。以上の研究活動は今後も継続されるとともに研究成果の公開へとつながるものである。
本研究は、水俣病事件において水俣病の病像や暴露そのものが未だ議論されているなかで、水銀汚染と水俣病の有病率、健康障害や補償救済制度との連環(ループ)から漁村における水俣病被害そのものを医学的および社会学的調査をとおして捉え直すことで、「公害水俣病」としての新たな社会的課題を明らかにする挑戦的研究であった。さらに本研究は水俣病研究において研究方法そのものの一般化を図ることになろう。
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『水俣病公式確認60年アンケート調査最終報告書』
巻: 1 ページ: 20-29
『水俣学研究』
巻: 7 ページ: 19-34
40021039934
『部落解放』
巻: 724 ページ: 12-18
http://gyoseki.kumagaku.ac.jp/
http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/
http://www3.kumagaku.ac.jp