研究課題/領域番号 |
15K04015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 岩手県立大学 (2017-2018) 日本赤十字秋田短期大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
佐藤 嘉夫 岩手県立大学, その他部局等, 特任研究員 (20073033)
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研究分担者 |
小池 隆生 専修大学, 経済学部, 准教授 (40404826)
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研究協力者 |
浜岡 政好
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 農村の貧困 / 貧困観 / 権利意識 / 社会規範 / 相互扶助活動 / ローカル・ミニマム / 農村的貧困 / 農村的生活様式 / 農村コミュニテイ / 貧困の社会政策 / 規範意識 / 生活様式 |
研究成果の概要 |
農村地域では、原因や責任を個人にみる個人主義的貧困観が依然として強く、それは、相互扶助行動率と強い正の相関がある。他方、救済の権利行使は,相互扶助行動と負の相関がみられる。貧困観や対応策を巡って、住民相互に強い相互牽制力が働いていることが分かった。その影響要因である相互扶助活動は、労力、サービス、物々交換など農村に強くみられる贈与経済の一部をなし、最低生活以下に「転落」しない防止機能であると同時に、その活動の多寡、強弱が、権利行使への抑制力に作用し, 大きな割合の貧困層を潜在化させている。貧困意識を規定する「むら社会」の規範構造が、農村部における膨大な貧困を吸収していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貧困の救済と解決には、手続き保障を含む人権としての救済法の整備と同時に、国・自治体の公的な貧困政策への国民的な合意が必要となる。救済に関わる費用と専門職の配置などの資源の出動には、同意の前提となる国民の貧困観や貧困意識が大きく影響している。 潜在化している大量の農村的貧困、貧困認識や貧困観、貧困救済に関する対抗的権利意識、貧困への自己対応の「弾力性」と農村的相互扶助活動の特徴が明確になったことで、自治体、コミュニテイ・レベルでの貧困政策の必要性と妥当性が明示され、農村的貧困が、貧困認識と貧困観、政策におけるナショナル・ミニマムとローカル・ミニマムの関係に与える影響についても部分的に提示できた。
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