研究課題/領域番号 |
15K04078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 東北大学 (2017-2018) 宮城大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
小嶋 秀樹 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70358894)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉症 / コミュニケーション / 他者理解 / 神経科学 / カテゴリ粒度 / 認知粒度 / 自閉症モデル / 認知スタイル / コミュニケーション能力 |
研究成果の概要 |
自閉症は,コミュニケーションの障害および限定された興味という2つの診断基準をもつ。感覚異常や協調運動障害を伴う一方,物や機械の扱いは得意なことが多い。本研究では,これら多様な病像を「認知粒度」という観点から捉え直し,統一的な説明が可能な自閉症モデルを探索した。認知粒度とは,行為主体が環境を認識・利用するための分節単位(シェマ,基本レベルカテゴリ等)の大きさであり,事物だけでなく他者行動の予測・制御にも関与している。自閉症では脳構造に粒度的な細かさがみられるが,ここから自閉症の多様な病像に統一的な説明を与えるだけでなく,定型発達との連続体上に自閉症を捉えなおすことにも貢献できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,これまで多様な病像の集合体として捉えられてきた自閉症に対して,統一的な説明モデルを提出することができ,また定型発達とつながる連続体上に特徴づけることができた。近年,自閉症を遺伝的要因によって説明しようとする研究が多数あるが,どの単独の遺伝子も十分な説明力(診断への寄与率)を持たない。本研究では,中間表現型として「認知粒度」を導入することにより,遺伝的なアプローチと従来の行動ベースのアプローチをつなげる可能性を提示できた。この認知粒度の観点から,有病率1.68%の自閉症に対する有効な療育手法(あるいは治療法)につながることも期待でき,その社会的実装に向けた展開が期待される。
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