研究課題/領域番号 |
15K04238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野々村 淑子 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70301330)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 救貧医療 / 児童救済 / ジェンダー / 育児の科学化 / 18世紀イギリス / 産み育てる身体 / 母役割 / 医療救貧 / 家族 / 性差 / 小児科学 / 衛生 / 貧困児医療 / 救貧 / 医療化 / 貧困児 / イギリス史 |
研究成果の概要 |
本研究は、18世紀イギリスで数多く設置された子どもや女性向けの救貧事業、施設の医療化過程の実態を分析する。それにより、子ども、特に乳幼児期の世話や健康への配慮に関する医療実践のなかで、西洋近代医学知に基づく医者による育児知識の体系化とその機能、医療実践の実態を明らかにする。産婆や乳母ではなく母による養育を前提としたこれら育児知が、労働力、兵力形成と特権階級の疫病感染からの保護という18世紀イギリスの国家的使命に後押しされ、救貧施設での貧困児の生命への配慮として成立し、実践されていく経緯と、そこでの女性(特に母親)役割の変容過程を軸に究明される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
児童虐待や子どもの貧困等が注目されるなかで、家族、特に母親役割が本来的、特権的なものとされ、それを前提とした事業や政策が進められている。本研究は、そのような家族規範が、貧困層の子どもの生命、生活への配慮への国家的社会的関心のなかで成立してきたプロセスとその歴史的意味を、18世紀ロンドンにおいて究明しようとするものである。貧しい子どもへの博愛と憐憫の感情を伴いつつ、社会秩序維持や感染症予防を目的とした医療救済事業の政治性を論じることは、子ども史、家族史、特に子どもの養育と家族に関する様々な研究視座の前提を問うものであり、その点で学術的意義を有している。
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