研究実績の概要 |
研究実施計画に従って, 下記の研究成果を得た : 1. pを奇素数とし, loop空間Y_t=S^{2t-1}={(p)} (t≧1, t|p-1)を考える. ここでm=(p-1)/tとおくと, Y_t上のλ乗べき写像Φは常にA_m写像になり, さらにΦがA_{m+1}写像である必要十分条件はλ(λ^m-1)がpで割れるととであることを示した. また, λがpで割れるとき, ΦがA_{(j-1)m+1}写像であるなら, A_{jm}写像になり, さらにA_(jm+1)写像である必要十分条件がλがp^jで割れることであることを示した. これらの結果により, ΦがA_{p}写像である必要十分条件がλがp^tで割れるかλ^m-1がpで割れるかのいずれかが成り立つことが示される. 2. pを奇素数とし, Xは単連結F_p有限A_p空間で, λは1のpを法とする原子p-1乗根とする. このとき, XのF_p cohomologyのindecomposable moduleへのSteenrod作用素の作用が自明で, X上のλ乗べき写像が(p-1)/2より大きいnに対し, A_n写像であれば, XはF_p可縮になることを示した. 3. 奇素数pに対し, そのcohomology環が有限個の奇数次元の元で生成されるホップ空間Xを考える. このとき生成元の次元の最小値を2m-1とし最大値を2n-1とした時, n-m<p-1であればXはp正則になり, n-m<2(p-1)であればXは準p正則になることが知られている, 逸見はこの事実を拡張し, n-m<3(p-1)である場合のXの既約成分への分解を完全に決定した. また, 研究実施計画の範囲以外にも次の成果が得られた : 1. 逸見はn次元実射影空間RP^n上のベクトルバンドルがn以上のmに対しRP^m上に安定拡張可能である条件を調べ, それをRP^nのn+t次元ユークリッド空間への挿入の法バンドルに対して適応した. 2. 逸見は奇素数pを法とした(2n+1)次元標準レンズ空間L^n(p)上のベクトルバンドルがn以上のmに対しL^m(p)上に安定拡張可能である条件を調べ, それをL^n(p)の2n+1+k (k¥ge 2[n/2]+1)次元ユークリッド空間への挿入の法バンドルに対して適応した.
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