研究課題/領域番号 |
15K05041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金谷 和至 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80214443)
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研究協力者 |
江尻 信司
北澤 正清
鈴木 博
谷口 裕介
梅田 貴士
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 素粒子論 / 量子色力学 / 格子場の理論 / 計算物理学 / クォーク・グルオン・プラズマ / 有限温度・密度 / 相転移 / 状態方程式 / 有限温度 / 有限密度 |
研究成果の概要 |
グラジエントフローに基づく鈴木法を応用して、クォーク物質の熱力学的諸性質を、ウイルソン型クォークを用いた格子QCDシミュレーションにより計算した。第1段階として、u,dクォークが現実より重い場合に、エネルギー運動量テンソルやカイラル凝集、位相感受率などを評価し、従来の方法による状態方程式を再現すること、カイラル感受率が他の物理量から示唆される相転移温度でピークを示すこと、位相感受率の信頼できる評価が可能であること示した。次にu,dクォークが現実のクォーク質量の場合を研究し、スタガード型クォークによる先行研究に近い相転移温度を示唆する中間結果を得た。また、粘性係数などの研究も推進した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
格子QCDによるクォーク物質の研究は、現実のクォーク質量ではこれまでスタッガード型クォークを用いた研究しか行われていないが、理論が非局所になる、連続極限の存在が保証されていないなどの未解決の原理的な問題が残る。ウイルソン型クォークにはこうした問題が無いが、カイラル対称性の陽な破れに起因して、カイラル凝集などの物理量の評価に複雑なくりこみが要求される。この研究により、グラジエントフロー法でこれらの問題が回避できることを示した。ウイルソン型クォークの結果をスタガード型クォークの結果と比較することにより、格子による系統誤差をより精密に議論することができるようになる。
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