研究課題/領域番号 |
15K05203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹本 智弘 東京工業大学, 理学院, 教授 (70332640)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非平衡 / 揺らぎ / 厳密解 / 非平衡統計力学 / KPZ普遍性 / ランダム行列 / 流体力学 / 非平衡揺らぎ / 揺らぐ流体力学 / 排他過程 / 頂点模型 / 大偏差 |
研究成果の概要 |
可積分な構造を持つ非平衡統計力学模型に関する理解を深めるいくつかの成果を得た。まず1次元Kardar-Parisi- Zhang(KPZ)普遍性クラスに属するモデルに対して、従来あった問題点を解決する新たな解析法を開発した。特にKPZクラスに属する多くのモデルを特別な場合や極限的な場合として含む確率的6頂点模型と呼ばれるモデルに適用した。 また、これまで1成分系に対してのみ行われてきた計算を、AHRモデルと呼ばれる多成分系に拡張することに成功した。さらに、量子スピン鎖におけるスピン流の揺らぎに関する研究も行い、ランダム行列理論と関係が深いことを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まずKPZ系に対して開発した新手法は、従来の手法にあった発散の問題が回避されており多くのモデル系に対して統一的に適用することが可能であり、近年進展が著しい可積分確率と呼ばれる分野における重要な貢献である。また多成分系に対する手法の一般化と普遍揺らぎを決定したことは、可積分非平衡系の手法の適用範囲を大いに広げ今後の発展性が高いものであるとともに、揺らぐ流体力学と呼ばれる有効理論の予言をミクロな計算から検証する最初の例も与えるものであった。さらに、量子スピン系に対するカレント揺らぎの決定とランダム行列理論との関係の発見は、新奇性が高く今後様々な方向への拡張、応用が期待される。
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