研究課題/領域番号 |
15K05210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田畑 吉計 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00343244)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | スピングラス / レプリカ対称性の破れ / 臨界現象 / 非平衡緩和 / エイジング現象 / 記憶効果 / 若返り効果 / 動的臨界現象 / Griffiths相 / 長距離相互作用 / 磁場中相転移 / 磁場中転移 / 温度カオス |
研究成果の概要 |
本課題では主に、長距離相互作用であるRKKY相互作用が働くイジングスピングラスについて、スピングラスの平均場理論の帰結である「レプリカ対称性の破れ(RSB)」が起こっているかどうかを検証する実験を行った。 磁場中交流磁化率の動的スケーリング解析からは、有限磁場中における緩和時間の臨界発散が明確に観測され、磁場中でもスピングラス相が有限温度で存在することが分かった。また、種々の温度プロトコルによる非平衡磁化緩和測定から、スピングラス相における状態間のエネルギー障壁の階層構造を示唆する結果を得た。これらはRKKYイジングスピングラスにおけるRSBを強く支持する結果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レプリカ対称性の破れ(RSB)は、正負ランダムに分布した相互作用をもつスピン系の基底状態であるスピングラスを記述する重要な概念であり、スピングラス状態の複雑性の基礎となる。スピングラスの平均場理論ではRSBが起こっていることは厳密に分かっているが、現実のスピングラス物質(やそれと等価な統計力学モデル)でのRSBについては結論は出ておらず、むしろRSBを否定する結果の方が有力視されている。本課題の実験結果は、ある種の長距離相互作用が働く系では3次元系でもRSBが起こることを強く示す結果であり、現実のスピングラス状態の本質を明らかにする重要な結果であると言える。
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