研究課題/領域番号 |
15K05246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊池 誠 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (50195210)
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研究協力者 |
白井 伸宙
多田 吉克
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | タンパク質折れたたみ / 天然変性タンパク質 / ファネル描像 / αシヌクレイン / 分子混雑 / 繊維形成 / ランダムエネルギーモデル / 格子気体モデル / 分子混雑効果 / アミロイド繊維 / 分子混み合い |
研究成果の概要 |
分子混雑条件下でのタンパク質折れたたみと複合体形成を計算するための新しい粗視化モデルとして、タンパク質をファネル的エネルギー構造を持つ粒子として扱う「ファネル気体モデル」を提案した。理論面では、混雑粒子の排除体積効果だけを取り入れるとその効果はタンパク質の有効自由エネルギーに厳密に繰り込まれた。この理論をモデルタンパク質に適用し、混雑粒子が体積の大きな変性状態を抑制し、天然構造が安定化されることを明らかにした。また、天然変性タンパク質αシヌクレインの繊維形成が分子混雑で促進されることを示した。さらに、構造ネットワークモデルを提案し、変異に頑健なファネル構造を持つ天然構造は少ないことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質は複雑な分子であるため、熱平衡状態の計算は現在の計算機をもってしても難しい。特に繊維形成などタンパク質が複合体を形成する機構を調べるためには、計算量が少ない粗視化モデルが必要である。本課題ではタンパク質をひとつの粒子として扱いつつ、その特徴である「ファネル的エネルギー構造」を取り入れたモデルを提案した。このモデルでは現実の細胞環境で重要となる分子混雑の効果がタンパク質の有効自由エネルギーに繰り込まれるため、少ない計算量で複合体形成をシミュレーションでき、様々な応用が期待できる。その一例として、天然変性タンパク質の繊維形成機構を調べ、実験結果の解釈への示唆を行ったのは重要な結果である
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