研究課題/領域番号 |
15K05248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 山口大学 (2018) 九州大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
有賀 隆行 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授(特命) (30452262)
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研究協力者 |
水野 大介
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 生体分子モーター / エネルギー変換 / 1分子計測・操作 / 非平衡物理学 / 生物物理 / 生体物質の物理 / 光ピンセット |
研究成果の概要 |
微小管の上を歩きながら荷物を運ぶ生体分子モーターであるキネシンは、熱ゆらぎがその運動機能に関わっている。一方、それらが働く細胞内部も熱ゆらぎとは別に非熱的なゆらぎを自ら生みだしていることが明らかになった。そこで本研究では、そのような非熱的にゆらいだ環境におけるキネシンの運動を、実験と理論の両面から検証した。その結果、キネシンは外力のゆらぎによって、その運動様式を変化させることが明らかになった。また、微小な外力に対する応答と速度ゆらぎの関係から散逸を計測し、キネシンの非平衡エネルギー論を明らかにした。さらに、生きた細胞内での力学計測を目指して、計測装置の改良と新しいプローブ粒子の開発も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、レール上を歩行するタイプの分子モーターであるキネシンで初めて、エネルギーの入出力の解析を行うことができた。また、そのキネシンの運動が、細胞の内部という特殊な環境に特化した性能を持っていることも示唆された。それらの成果は、生物が、未だ人類の知らない未知のエネルギー変換の仕組みをうまく利用している可能性を仄めかしており、本研究はそれを理解する道を拓いた。このように、小さな生体分子から学ぶエネルギー変換の仕組みは、近年活発に開発されている人工分子モーターの構築や設計(2016 年度ノーベル化学賞受賞)と、そのドラッグデリバリーシステムへの医療応用などにも役立つことが期待できる。
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