研究課題/領域番号 |
15K05393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (2018) 兵庫県立大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
中島 聡 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, URA(チーフ) (80263234)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | チトクローム酸化酵素 / プロトンポンプ共役機構 / 時間分解赤外分光法 / 時間分解共鳴ラマン分光法 / 反応中間体 / 酸素還元反応 / プロトン放出サイト / ダイナミクス / 時間分解ラマン分光法 / プロトンポンプ / Water pool / カルボキシル基 / 共鳴ラマン分光法 / フェムト秒レーザ / フローシステム / 共役機構 / 振動分光法 / 時間分解 / 逐次的反応 |
研究成果の概要 |
チトクロムc酸化酵素(CcO)は酸素の還元反応と共役したプロトン膜間輸送を行う。この共役機構の詳細を解明するため赤外吸収分光法で酸素還元反応ダイナミクスの追跡を行った。反応の観測を可能にするフローセルシステムを完成させ、時間分解赤外測定を行って、プロトン化残基を観察することに初めて成功した。詳細な解析の結果、反応過程で、1.プロトン供給部位がまず構造変化し, 2.プロトン放出サイトでプロトンの逐次的脱着と, 3.プロトン貯蔵部位での構造変化が反応と同期して起こることを見出した。これはCcOにおいて、緩衝溶液中生理条件下での反応でプロトンポンプ関連残基を実時間・直接観測した世界初の例である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアが生体エネルギー工場と呼ばれるのは、その中でチトクロムc酸化酵素(CcO)が呼吸した酸素で燃焼させて生命活動のエネルギー源を得ているためで、地球上のほとんどの生命体にとり必須の酵素である。しかしこの酵素反応の不具合は活性酸素種を発生させ、様々な疾病(癌、心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー等)の根本原因となる。その不具合は、酵素の内部のほんのわずかな水素結合の違いで起こると言われていて、原子レベルでの機構解明が必須である。本研究はその酵素反応を実際に起こっている状態で直接観測することに成功したもので、こうした原因解明や、燃料電池といった環境負荷の少ないデバイスへの展開も期待できる。
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