研究課題
基盤研究(C)
二次元系の分子性結晶にも軌道自由度が存在するのか検証した。(1)白金ジチオレン錯体分子からなる三種類の伝導体は約200 Kで相転移が起こる。約200K以下では、HOMO準位とLUMO準位の逆転が半数の二量体で起こり、残りの半数の二量体では起こらなかった。この現象は、軌道の縮退が回避されたことを意味する。(2)価数と磁性の変化が軌道準位の変化と連動した。(3)パラジウムジチオレン錯体分子からなる伝導体では、二量体同士の相互作用に任意性があった。この任意性は、スピン液体の候補として注目される物質でも観測された。
本研究により、無機物のような軌道自由度と、大きな格子揺らぎといった分子由来の特性を組み合わせた、新しい物性を開拓できる可能性が広がった。軌道の縮退は分子同士の距離に比例する尺度で評価できることを明らかにしたので、今後の研究の進展により、単一成分の分子結晶を始めとする様々な伝導体・超伝導体における伝導機構の解明が期待される。スピン液体として注目されてきた現象の作動原理を明らかにし、スピンだけでなく格子や電荷の自由度も重要であることを示した。
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