研究課題
基盤研究(C)
将来の核融合原型炉の燃焼プラズマは複数の物理量が連関する特徴を有する。本研究では、燃焼プラズマの制御シナリオの物理基盤を構築するために、輸送シミュレーションを用いて外部アクチュエーターに対する燃焼プラズマの応答特性を調べた。その結果、周辺部への電流駆動によって長い時間スケールで核融合出力を制御できることを明らかにするとともにその応答特性を定量的に評価した。また、中心部のプラズマ密度変動に対する核融合出力等の応答特性を明らかにし、制御シナリオの物理基盤を構築した。
第21回気候変動枠組み条約締約国会議で採択されたパリ協定の2℃目標達成には核融合エネルギーの導入が極めて有効であり、核融合炉の実現に向けた燃焼制御手法の確立に向けた物理基盤の構築を国際熱核融合実験炉ITERでの実験開始前に着手したことの社会的意義は大きい。一方で、本研究を通して複雑なパラメータ連関(複合系)を持つ高自律性燃焼プラズマ自律・非線形系のダイナミックス(変化量、時定数)の解明に寄与するという学術的意義を持つ。
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