研究課題/領域番号 |
15K06828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮林 弘至 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (50634961)
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研究分担者 |
伊地知 秀明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70463841)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 膵癌 / BMPシグナル / acinar-ductal metaplasia / 細胞接着 |
研究実績の概要 |
膵臓上皮特異的な変異型Kras発現+TGF-beta II型受容体(Tgfbr2)ノックアウトによる膵発癌マウスモデルを用い、膵癌の発癌・進展におけるBMPシグナルの意義を検討した。 BMPシグナルは本モデルの膵前癌病変から進行癌まで活性化していた。マウス膵組織から腺房細胞を三次元培養すると、BMP添加により、前癌病変の初期段階とされるacinar-ductal metaplasia (ADM)が増加し、TGF-beta添加により抑制された。Tgfbr2ノックアウトマウスの膵腺房細胞ではBMPシグナルが活性化しADMが増加しており、BMP阻害剤の添加によりADMが減弱した。すなわち、TGF-betaシグナルはBMPシグナルの抑制を介しADMを抑制し腫瘍抑制に働いていることが示唆され、BMPシグナル活性が膵発癌のごく早期の段階に重要であることが示された。セルレインで膵炎を誘発してもBMPシグナルが活性化し、ADMが促進した。 一方、BMPシグナルは、マウス膵前癌細胞のin vitroの増殖には直接影響しなかったが、細胞接着を促進させた。in vivoでは、ヌードマウスの皮下腫瘍モデルにおいてBMP7を強制発現させた膵前癌細胞では腫瘍の発育が速く、逆にBMP受容体をノックダウンした細胞ではその発育が遅滞した。またヌードマウスに腹腔内注射すると、BMP7強制発現細胞では腹膜播種形成が促進した。以上から、BMPシグナルは膵癌の進行期においても腫瘍促進的に働いていることが示唆された。 すなわち、BMPシグナルは、膵発癌・進展の両面において腫瘍促進的に作用すると考えられる。Smad4ノックアウトモデルではBMPシグナルが胎生期から阻害されるのに対し、Tgfbr2ノックアウトモデルではBMPシグナルが逆に活性化されており、このことが通常型膵癌をよりよく再現するモデルが得られた理由と考えられた。
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