研究課題
基盤研究(C)
去勢抵抗性前立腺癌の新規遺伝子治療として前立腺標的化増殖型レトロウイルスを用いた自殺遺伝子治療の開発研究を行ってきた。平成28年修了時点で研究進捗に遅れがあり、最終年度は平成28年度分の前立腺癌標的化レトロウイルスの抗腫瘍効果を培養細胞および動物実験で行うことと、平成29年度分の放射線治療との併用による抗腫瘍効果の評価を行う予定であった。しかし、平成29年度途中に所属機関を退職することが決定したため予定していた実験を継続することが不可能となり、このため研究を中断するとともに、資格喪失による科研費の廃止申請を行うこととなった。平成29年度までの研究計画は遂行できなかったが、前立腺標的化増殖型レトロウイルスを用いた前立腺癌に対する自殺遺伝子治療の研究の論文化は草稿の段階まで至っている。具体的な内容として、増殖型レトロウイルスを前立腺特異的プロモーターPSESを用いて前立腺標的化し、前立腺癌および非前立腺癌細胞にて増殖可能かを調べることにより前立腺特異性の検証を行った。また、細胞培養および動物実験にて自殺遺伝子治療による抗腫瘍効果を確認した。PSESのアンドロゲン非依存性を実臨床に応用するため、去勢抵抗性前立腺癌を模した去勢オスマウスの皮下腫瘍モデルにおいて実験を行い、抗腫瘍効果を確認した。これらの実験結果からPSESによる前立腺標的化増殖型レトロウイルスが去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療とし有用である可能性を示すことができ、この結果を論文投稿する予定である。
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Neuro-Oncology
巻: 印刷中 号: 7 ページ: 918-929
10.1093/neuonc/nox038