研究課題/領域番号 |
15K07073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古舘 昌平 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20713192)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 成体神経幹細胞 / 発生起源 / Notchシグナル |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者らによる成体神経幹細胞の「起源細胞」の同定 (Furutachi et al., Nature Neurosci., 2015) に基づき、「起源細胞」の形成・維持メカニズムの解明を目指した。これにより、成体神経幹細胞が発生の過程で如何にして作り出されるかが明らかになるはずである。また、起源細胞は成体の神経幹細胞を産み出し、それ以外の神経幹細胞は発生の過程で幹細胞性(未分化性や多分化能)を失うことから、これらの細胞群の差をみることで神経系における真の幹細胞性の解明に繋がることが期待される。 申請者の先行研究で、起源細胞では、神経幹細胞の未分化性維持において中心的な役割を果たすNotchシグナルが特別強く活性化されていることが示唆された。そこで本年度は、起源細胞におけるNotchシグナル高活性化メカニズムに注目して検討を行った。まず、起源細胞とその他の神経幹細胞の遺伝子発現プロファイルを網羅的に比較した所、起源細胞ではNotchシグナル関連因子のNotch3の発現が高いことが分かった。また、Notch3の免疫組織染色を行ったところ、Notch3は胎生期と成体の神経幹細胞で発現しており、分化に伴ってその発現は低下することが確認された。そこで次にNotch3の発現が成体神経幹細胞の形成に必要かを検討した。Notch3のノックアウトマウスと野生型マウスの成体神経幹細胞の数を比較したところ、Notch3のノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて成体神経幹細胞の数が減少していた。従って、Notch3の発現が成体神経幹細胞の形成に貢献することが判明した。今後、Notch3は(どのような分子メカニズムで)起源細胞の形成・維持に貢献するのか、起源細胞でNotch3の発現を亢進させる上流のメカニズムは何かに関して検討を進めていきたい。
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