研究課題/領域番号 |
15K07084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
酒井 大輔 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (90632646)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 解糖系 / 神経管閉鎖 / 低酸素 |
研究成果の概要 |
子宮内の低酸素環境と哺乳類胚の発生との関係を解析するために、低酸素環境下で活性化する解糖系に着目した。子宮外マウス全胚培養を用いて解糖系阻害剤を作用させたところ、神経管閉鎖不全を引き起こすことが明らかとなった。神経板を構成する神経上皮細胞が頂端面収縮をすることで湾曲し、神経管が形成される。免疫染色による解析の結果、解糖系阻害剤で処理したマウス胚の神経上皮細胞では、頂端面収縮の制御に重要なMLC2のリン酸化が起きていないことがわかった。またいくつかの解糖系遺伝子が神経板に特異的に発現していることを見出した。これらの結果から、代謝による新たな形態形成制御機構の存在が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胚の形態形成というイベントは遺伝的プログラムによって進行すると考えられてきた。本研究では、胚を取り巻く環境が遺伝的プログラムを修飾し、形態形成を制御する可能性を検討した。本研究の成果により、子宮内の低酸素環境が細胞内の代謝系の活性化を介して、神経管閉鎖という胚発生過程で最もダイナミックな形態形成過程の一つを制御することが明らかとなった。これにより、新規の環境因子依存的な発生メカニズムの存在が明るみとなった。神経管閉鎖不全は無脳症や二分脊椎症などの先天性障害の原因であり、妊娠期の葉酸欠乏が原因であると考えられている。本研究成果により、解糖系代謝異常もこれらの原因となり得ることが示された。
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