研究課題
基盤研究(C)
ゼブラフィッシュの規則的錐体モザイクでは、青錐体、赤錐体、緑錐体が網膜の円周方向に緑、赤、青、赤、緑の順に直線状に並んだ錐体の5量体と、UV錐体が繰り返し現れる。この規則的モザイクパターンの形成過程を解析するため、トランスジェニックラインTg(crx:nlsEOS)を用いてCMZにおける錐体の配置パターンを解析した。その結果、まず一組の赤錐体と緑錐体が接着して双錐体を形成し、次に双錐体を形成する赤錐体と青錐体が接着した3量体を形成し、最後にもう一つの双錐体がやはり赤錐体が青錐体と結合することにより、規則的な錐体モザイクパターンを構成する錐体5量体が段階的に形成されることを示唆する結果が得られた。上記の結果と、昨年度までに得られた結果を総合すると、緑錐体が赤錐体に接着することが引き金となり、赤錐体が極性化して緑錐体との接着面とは反対側に青錐体と細胞接着を形成することが可能になるのではないかと考えられた。この仮説を検証するために、以下の実験を試みた。1、赤錐体と緑錐体間の細胞接着阻害錐体5量体を形成する錐体の内節部に細胞接着因子Crb2aは一様に見られる。それに対し細胞接着因子Crb2bは緑錐体と赤錐体の内節部接着面と赤錐体と青錐体の内節部接着面にのみ局在が見られる。このことからCrb2bが錐体5量体の段階的形成に何らかの役割を果たしている可能性が考えられた。そこで、CRISPR/cas9法を用いてcrb2bを赤錐体でのみノックアウトさせるためのDNAコンストラクトの作製を行った。2、Crb2bの赤錐体における局在の騒乱Crb2bの局在を乱した場合の規則的錐体モザイクパターンへの影響を検討するため、Crb2aの細胞外領域とCrb2bの細胞内領域からなるキメラ分子を赤錐体に発現させるためのコンストラクトの作製を行った。
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