研究課題
基盤研究(C)
進化的に保存された極性タンパク質PARタンパク質群の局在領域サイズを決定する機構を解明するために、1分子イメージングにより、膜上の拡散距離を計測した。拡散動態は卵の大きさを実験的に操作してもPAR-2の動態には顕著な変化は見られなかった。一方、二光子顕微鏡を用いて片側の中心体を破壊し星状紡錘体の卵内での位置を変化させると、極性タンパク質の領域サイズが変化した。本研究から、極性タンパク質の局在領域サイズは、極性分子の細胞内動態とマイクロチューブル構造体の相互作用によることが明らかになった。
細胞極性タンパク質の非対称局在は、ナノメートルスケールの分子の衝突を基礎にして、マイクロメートル(細胞)スケールで形成される。物理パラメーターとして定義できるタンパク質動態を基礎に細胞現象である細胞極性を理解することは、「物質と生命」をつなぐ知見を提供する点でで学術的な意義がある。また、物質により構成される生命現象を理解するための新しい視点を提供する点で社会的な意義がある。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Cell Rep.
巻: 16 号: 8 ページ: 2156-2168
10.1016/j.celrep.2016.07.047