研究課題
基盤研究(C)
ツチガエルの性決定因子がアンドロゲンとその受容体であることを(1)-(4)の結果で示した。(1) I-SceI meganuclease法でAR遺伝子を導入した雌(ZW)胚は卵精巣を形成する。(2)アンドロゲン濃度が0.2ng/ml以上の含水で雌(ZW)幼生を飼育すると性転換して雄になる。(3)AR遺伝子導入雌(ZW)胚を低濃度のアンドロゲン含水(0.2ng/ml)で飼育すると精巣を形成する。(4)CRISPR/Cas9システムでAR遺伝子をノックアウトした雌(ZW)胚を高濃度(2ng/ml)のアンドロゲン含水で飼育しても性転換しない。更に、(5)AR遺伝子の転写調節候補因子を見つけた。
現在までに脊椎動物のヒト、ツメガエル、メダカなどで転写因子や分泌蛋白質が性決定因子として発見されている。我々は本研究で両生類(ツチガエル)の性決定因子がステロイドホルモンのアンドロゲンとその受容体であること示した。ステロイドとその受容体は脊椎動物の雌雄差形成や性転換に深く関わることはよく知られているが、脊椎動物の性決定因子になり得ることを世界で初めて示した。本研究によってアンドロゲンとその受容体が性決定因子であることを示すことによってステロイドホルモンの作用機序及び性転換のしくみの解明に大きく貢献することから、本研究の成果は学術的のみならず社会的にも大きな意義がある。
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