研究課題/領域番号 |
15K07523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田辺 雄彦 筑波大学, 藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センター, 主任研究員 (80391126)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アオコ / 汽水湖 / 塩分耐性 / 浸透圧調整物質 / ゲノミクス / ミクロシスティス / スクロース / 汽水 / 遺伝子水平伝播 / 汽水域 / 浸透圧調節物質 |
研究成果の概要 |
有毒アオコを形成するラン藻の一種ミクロシスティス(Microcystis aeruginosa)は塩分に弱いため、通常は淡水でしか増殖しないが、稀に塩分を含む汽水湖でアオコを形成することがある。日本の汽水湖では、宍道湖(島根県)や網走湖(北海道)でアオコの発生がよく見られる。本研究課題において、汽水湖から採集したミクロシスティスのゲノム解析・遺伝子発現解析・化学分析、及び日本各地の汽水湖のフィールド調査を行った。その結果、ミクロシスティスが遺伝子水平伝播(異種生物から遺伝子をもらうこと)によって塩分耐性を持つように進化し、その結果、汽水湖でアオコが発生するようになったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本において汽水湖は、シジミ漁に代表される水産業がさかんな自然環境である。それゆえに、汽水湖における有毒アオコの発生には悪臭・生態系破壊・水産物の毒素汚染等の様々な公衆衛生リスクが潜在する。本研究課題において、汽水湖の富栄養化が塩分耐性を持つアオコの急速な進化を誘発することを明らかにした。また、1%以上の塩分ではアオコは増殖できないことも明らかにした。以上の結果は、汽水湖への栄養塩負荷を下げること、塩分のコントロール等によってアオコの発生を抑制可能なことを意味するため、汽水域の環境保全施策に示唆を与えるものである。
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