研究課題/領域番号 |
15K07638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会・開発農学
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
鬼木 俊次 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (60289345)
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研究協力者 |
ベルハ メラク
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遊牧民 / サブサハラアフリカ / エチオピア / 畜産物 / 流通 / 社会規範 / 牧畜 / 経済 / 規範 / 草原 / 市場 / 市場経済 / 牧畜民 |
研究成果の概要 |
エチオピア北部のアファール遊牧民は、かつては自給自足的な生活を営んでいたが、近年の道路網の発達と市場流通の拡大によって市場経済システムへ取り込まれつつある。我々は遊牧民の畜産物の流通・販売の状況を調べるため、エチオピア低地のアファール州において遊牧民世帯のアンケート調査および経済実験を行い、収集したデータを用いて計量経済分析を行った。その結果、アファール牧畜地域では、ローカルな家畜市場の制約が経済発展のボトルネックになっていることが分かった。また、都市に比較的近い地域では乳製品販売に対するタブー意識は低くなるなど、牧畜民の伝統的な価値観が変わりつつあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、遊牧民社会の伝統的規範や取引の信頼関係等が市場経済へのアクセスに影響を与えうることを示したことである。アファール遊牧民社会に市場経済が普及することにより伝統的な牧畜社会の社会規範が変容し、それによって新たな畜産物流通のネットワークが構築される可能性がはじめて実証的な計量モデルで示された。これまで市場経済の導入が難しいと考えられていた地域でも規範の変容を通じてそれが可能になることが分かった。このことが持つ社会的な意義として、サブサハラアフリカの国際開発援助プログラムにおいて、その効果を十分に発揮するためには、現地住民の社会規範の分析と変化に留意する必要性を示唆する。
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