志賀毒素による細胞死誘導機構の解析と治療薬の開発

• 研究課題/領域番号: 15K08040
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 創薬化学
• 研究機関: 国立医薬品食品衛生研究所
• 研究代表者: 服部 隆行 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 主任研究官 (50377751)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 志賀毒素 / THP1細胞 / アポトーシス / プロテアソーム / 小胞輸送阻害 / 耐性 / CD77 / CD77 synthase / 小胞輸送 / ゴルジ体 / 逆行輸送 / アポトーシス阻害タンパク質 / プロテアソーム阻害薬

研究成果の概要

腸管出血性大腸菌（EHEC）の感染は下痢や出血性大腸炎を誘発するのみならず、溶血性尿毒素症症候群や脳症といった致死性の合併症を引き起こす。これらの症状を誘発する主要病原因子は、EHECの産生する志賀毒素であると考えられており、志賀毒素を中和する薬剤の開発が急がれているが、未だ有効な治療薬は確立していない。
我々は志賀毒素を中和することの出来る薬剤を開発することを目的に研究を行い以下の結果を得た。志賀毒素による細胞死は、プロテアソーム阻害薬（１）や、小胞輸送阻害薬（２）によって抑制することが出来る。（３）志賀毒素受容体の発現が欠落すると志賀毒素による細胞死が誘導されなくなる。

研究成果

• [雑誌論文] M-COPA, a novel Golgi system disruptor, suppresses apoptosis induced by Shiga toxin. (2016)
  • 著者名/発表者名: Hattori T, Watanabe-Takahashi M, Shiina I, Ohashi Y, Dan S, Nishikawa K, Yamori T, Naito M.
  • 雑誌名: Genes Cells. 巻: 21(8) 号: 8 ページ: 901-906
  • DOI: 10.1111/gtc.12386
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] A Helix-Stabilized Cell-Penetrating Peptide As An Intracellular-Delivery Tool (2016)
  • 著者名/発表者名: Hiroko Yamashita, Makoto Oba, Takashi Misawa, Masakazu Tanaka, Takayuki Hattori, Mikihiko Naito, Masaaki Kurihara, Yosuke Demizu
  • 雑誌名: Chembiochem 巻: 17 号: 2 ページ: 137-140
  • DOI: 10.1002/cbic.201500468
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Proteasome inhibitors prevent cell death and prolong survival of mice challenged by Shiga toxin (2015)
  • 著者名/発表者名: Takayuki Hattori, Miho Watanabe-Takahashi, Nobumichi Ohoka, Takashi Hamabata, Koichi Furukawa, Kiyotaka Nishikawa, and Mikihiko Naito
  • 雑誌名: FEBS Open Bio 巻: 5 号: 1 ページ: 605-614
  • DOI: 10.1016/j.fob.2015.06.005
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] 志賀毒素耐性THP-1細胞の単離と解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 服部 隆行，高橋 美帆，西川 喜代孝，内藤 幹彦
  • 学会等名: 第２０回腸管出血性大腸菌感染症研究会
  • 発表場所: 富山県・富山市
  • 年月日: 2016-11-10
• [学会発表] ユビキチン・プロテアソーム経路を利用したプロテインノックダウン化合物の開発 (2016)
  • 著者名/発表者名: 大岡 伸通，伊東 昌宏，奥平 桂一郎，永井 克典，柴田 識人，服部 隆行，長 展生，内藤 幹彦
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] BCR-ABL の蛋白質分解誘導剤開発を指向した BCR-ABL 結合化合物の探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 柴田 識人，大岡 伸通，服部 隆行，橋井 則貴，斎藤 臣雄，近藤 恭光，石井 明子，長田 裕之，内藤 幹彦
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] ヘリカルプロモーター導入によるオリゴアルギニンの構造制御と膜透過能への効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 三澤 隆史，山下 博子，加藤 巧馬，服部 隆行，大庭 誠，田中 正一，内藤 幹彦，出水 庸介，栗原 正明
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] 環境応答型二次構造変化を利用した細胞膜高透過性ペプチドの開発 (2016)
  • 著者名/発表者名: 山下 博子，出水 庸介，加藤 巧馬，大岡 伸通，三澤 隆史，服部 隆行，田中 正一，内藤 幹彦，大庭 誠，栗原 正明
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] 網羅的人工ユビキチン修飾システムの構築 (2016)
  • 著者名/発表者名: 服部 隆行，正田 卓司，奥平 桂一郎，柴田 識人，大岡 伸通，伊藤 進，栗原 正明，内藤 幹彦
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] Hisタグタンパク質分解誘導分子の開発 (2016)
  • 著者名/発表者名: 沖津 航陽，服部 隆行，出水 庸介，三澤 隆史，正田 卓司，内藤 幹彦，栗原 正明
  • 学会等名: 日本薬学会第１３６年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] Protein knockdown by SNIPER compounds: Application for basic research and cancer therapy (2016)
  • 著者名/発表者名: Mikihiko Naito, Takayuki Hattori, Nobumichi Ohoka, Norihito Shibata, Takuji Shoda, Yosuke Demizu, Masaaki Kurihara
  • 学会等名: Tenth AACR/JCA Joint Conference
  • 発表場所: ハワイ
  • 年月日: 2016-02-16
  • 国際学会
• [学会発表] 新規小胞輸送阻害薬を用いた志賀毒素のアポトーシス死誘導活性の抑制 (2015)
  • 著者名/発表者名: 服部 隆行，高橋 美帆，椎名 勇，大橋 愛美，旦 慎吾，西川 喜代孝，内藤 幹彦
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] ユビキチン化誘導剤によって起こるユビキチン関連死の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大岡 伸通，永井 克典，服部 隆行，柴田 識人，長 展生，内藤 幹彦
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] Development of helix-stabilized cationic peptides with cell-membrane penetrating ability (2015)
  • 著者名/発表者名: Hiroko Yamashita, Yosuke Demizu, Takashi Misawa, Takayuki Hattori, Makoto Oba, Masakazu Tanaka, Mikihiko Naito, Masaaki Kurihara
  • 学会等名: 第52回ペプチド討論会
  • 発表場所: 平塚市
  • 年月日: 2015-11-16
• [学会発表] Development of his-tag fused protein degradation inducer based on a protein knockdown strategy (2015)
  • 著者名/発表者名: Koyo Okitsu, Takayuki Hattori, Yosuke Demizu, Takashi Misawa, Takuji Shoda, Mikihiko Naito, Masaaki Kurihara
  • 学会等名: 第52回ペプチド討論会
  • 発表場所: 平塚市
  • 年月日: 2015-11-16
• [学会発表] 細胞膜透過性の向上を指向したカチオン性アミノ酸の合成およびその応用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山下 博子，出水 庸介，三澤 隆史，服部 隆行，大庭 誠，田中 正一，内藤 幹彦，栗原正明
  • 学会等名: 第４１回反応と合成の進歩シンポジウム
  • 発表場所: 東大阪市
  • 年月日: 2015-10-26
• [学会発表] TACC3分解誘導剤によるがん細胞のユビキチン関連死 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大岡 伸通，柴田 識人，服部 隆行，内藤 幹彦
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2015-10-08
• [学会発表] プロテアソーム阻害による志賀毒素誘導性細胞死の抑制 (2015)
  • 著者名/発表者名: 服部 隆行，高橋 美帆，椎名 勇，大橋 愛美，旦 慎吾，西川 喜代孝，内藤 幹彦
  • 学会等名: 第１９回腸管出血性大腸菌感染症研究会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-07-09
• [学会発表] DDSキャリアを指向したカチオン性非天然アミノ酸導入ペプチドの開発 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山下 博子，出水 庸介，三澤 隆史，大庭 誠，田中 正一，服部 隆行，内藤 幹彦，栗原 正明
  • 学会等名: 第３１会日本DDS学会学術集会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-07-02
• [学会発表] TACC3分解誘導剤によるがん細胞のユビキチン関連死 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大岡 伸通，服部 隆行，内藤 幹彦
  • 学会等名: 日本がん分子標的治療学会第１９回学術集会
  • 発表場所: 松山市
  • 年月日: 2015-06-10
• [図書] Estrogen Receptors Methods and Protocols (2016)
  • 著者名/発表者名: 1.Okuhira K, Demizu Y, Hattori T, Ohoka N, Shibata N, Kurihara M, Naito M
  • 総ページ数: 576
  • 出版者: Springer