研究課題/領域番号 |
15K08099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 島根大学 (2018) 九州大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
矢野 貴久 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (90532846)
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研究協力者 |
Bonventre Joseph V.
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 薬剤性腎障害 / 尿細管上皮細胞 / アポトーシス / ミトコンドリア / 活性酸素種 / MAPK / バンコマイシン / バイオマーカー / カルジオリピン |
研究成果の概要 |
薬剤性腎障害の分子機構を明らかにするために尿細管上皮細胞の障害に着目して検討した結果、MRSA感染症治療薬バンコマイシン(VCM)は、ブタ近位尿細管由来LLC-PK1細胞にカスパーゼ-3/7依存性のアポトーシスを惹起する際、ミトコンドリア機能異常や活性酸素種(ROS)の産生増加に加えて、MAPKであるJNKを活性化し、JNK活性化はROSに非依存的であることが示された。それらの障害にはミトコンドリア標的抗酸化薬が有効であり、cAMPアナログはJNK活性化を抑制して保護効果を示した。一方、新たに構築した腎障害バイオマーカーの測定系では、尿や血漿中の10項目について、迅速な評価が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、医薬品により生じる腎臓や尿細管細胞の障害の発現機序や、障害を低減可能な腎保護薬物が明らかとなった。加えて、腎障害の発現や進展に関与する因子に着目して、様々な薬物による腎障害を早期に予知することが可能なバイオマーカーを選定すると共に、わずかな尿や血液によって、迅速な測定や評価が可能な測定系を新たに構築した。薬を使用する際に、尿あるいは血液中のバイオマーカーを定期的に検査することで、腎機能が大きく低下する前に逸早く用量や投与スケジュール、薬剤を変更することが可能になるといった更なる発展が見込まれるとともに、安全で良質な薬物療法の推進につながる意義ある研究成果であることが考えられる。
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