研究課題
基盤研究(C)
唾液腺の発生過程において、Wntシグナル活性は分岐形態形成を認める発生前期で最も高く、発生後期の腺房分化に向けて経時的に減少した。発生前期におけるWntシグナルの活性化はSCF受容体であるKITの発現を抑制することによって腺房分化の進行を抑えていた。発生後期ではWntシグナル活性の減弱にともなって、end budにおけるKITの発現が上昇し、AKTの活性化を介した腺房化が誘導された。本研究から、WntとKITシグナルの活性化バランスが器官形成過程における“形づくり”から“分化(機能獲得)”へのスイッチングを調節する新たな機構が明らかになった。
本研究では、胎生期唾液腺をモデルとして、今回新たに確立した各種上皮単独培養法を用いて、生体内で起きている複雑な形態形成と分化のプロセスをin vitroで再現した。本研究成果は種々の管腔臓器の発生と再生の仕組みを理解するための分子基盤を提供するものであり、再生医療を現実のものにするための必須の事項である。また、正常な組織形成・維持のメカニズムの解明はその破綻に基づくがんの病態を理解する上でも重要であり、本研究は学術的に重要であるばかりでなく、医療という側面において社会的意義も大きい。
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