研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、マラリア原虫の有性生殖期生殖母体細胞の周縁に格子状の局在が学界で報告された内膜複合体IMCの関連分子、本研究の代表者らがIMCとは独立に見出した生殖母体の格子状分子、生殖母体では未報告未解析のIMC関連分子、を併せて解析し、生殖母体細胞の骨格形成と変化に関与する分子群を同定することであった。動物抗血清の調製が完了した分子について、固定したマラリア原虫細胞における発現を解析した。標識化分子によるマラリア原虫内の発現解析、および変異分子導入原虫の解析については、いずれも、マラリア原虫に導入するプラスミドコンストラクトの調製まで進捗した。
21世紀の現在でも全世界で年間推定50万人前後が亡くなる病気マラリアの対策、という視点からみると、マラリア原虫の生活環上で、迂回経路がないヒト赤血球内の生殖母体期は、流行地の感染サイクルを断ち切る抗マラリア薬やワクチンの標的になりうる。この時期に発現する分子群は、薬の標的分子やワクチン構成分子の候補といえる。これに資する分子を、今後の進捗と併せて同定する。