研究課題
基盤研究(C)
Interleukin(IL)-17Aは結核菌に対する感染防御に重要な役割を担っている。そのIL-17Aと相同性が高いIL-17Fの結核菌感染肺における防御能を検討したところ、感染早期ではIL-17A同様、感染防御に働くが、感染後期においてはその効果が非常に低くなることを明らかにした。これは、感染早期のIL-17Fは肉芽腫近位に局在し、肉芽腫成熟を誘導して菌の封じ込めに働くが、肉芽腫構造がさらに拡張する感染後期では、IL-17F産生細胞が肉芽腫の中心から遠ざかるために生じたと考えられた。このことからIL-17AとIL-17Fの機能分担がその局在により規定される可能性が示唆された。
結核は20 世紀最大の恐怖を与えた慢性持続感染症であり、依然として猛威を奮い続けている。現在実用化されている唯一の結核ワクチンであるBCG は小児における播種性結核にはある程度の予防効果が認められているものの、成人肺結核に対しての予防効果は極めて低い。本研究では、IL-17ファミリーを中心としたサイトカイン・ネットワークを解析したことにより、結核制御に最も重要なIFN-γを主体とする1型免疫応答に対する協調的作用や相互制御を十分に理解することができた。本研究成果は、肺結核に対して有効性の高い新規ワクチン戦略の開発ならびに結核菌の排除に有効な革新的治療方法の開発につながると思われる。
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